様々なご質問にお答えするコーナーです。
今回はヴァイパーのチェストサポートメカニズムの使い方について。
ヴァイパーの最大の特徴は「持ちやすさ」。
一見派手さを追求したかのような形状は、実際に構えてみると、とても演奏に適していることがわかります。
ヴァイオリンが難しい理由
「音程をとるのが難しい(左手)」
「安定した発音が難しい(右手)」
それらの根本の問題は
「楽器を楽に良い位置に構えるのが難しい」
というところにあります。
これは練習や努力だけでなく、骨格に大きく左右されます。
ヴァイパーの”チェストサポートメカニズム(ストラップ+パドル)”はその難関を見事にクリアしています。
ストラップ
左肩に乗せた部分から背中にまわし右脇腹を通して胸の前で固定します。
ストラップは楽器が身体から離れるのを止めるので、これでもう手を離しても楽器が落ちることはありません。
が、ストラップだけでは楽器のヘッドが下がるのを支えることはできないので、
左手で楽器を支えないと演奏ポジションには構えられません。
それを解決するのがパドルの役割。
胸に当てる部分の裏側にはパドルが付いていて、左脇腹に当ててネジを締めて固定します。
パドルの役割は、重力でヘッドが下がるのを止めて、楽器を演奏ポジションに保つことなので、それを念頭に置いて位置を探します。
楽器のヘッドが下がる時にパドルの先端にかかる力をなるべく垂直に受けられる位置、つまり、丸い部分を身体の側面に近い位置に当てる方が良いことがわかります。
※↓のように
パドルが身体の前面にあると、ヘッドが下がる力を止めるのは、丸い部分と身体との摩擦ということになります。
しかし、この丸い部分は金属でできていて服との摩擦はほとんど無いので、パドルのこのような使い方は効果的ではありません。
パドルの棒にはチェーンが付いていて、このチェーンも胸に当たり姿勢保持に役立ちます。
自身に合ったチェーンの位置を見つけて、そこに止める工夫をするのもオススメです。
パドルが身体に当たる感触は、
ストラップの長さ
パドル本体の回転位置
チェーンの位置
によりかなり変わります。
パドル先端の丸い部分が
なるべく平たく身体に当たる位置
を探してみてください。
なお、パドルの可動部分はネジを締めて固定しますが、この部分は経年劣化で急に固定する力が弱くなります。
特に新しい時はあまり強く締め過ぎない方がよいですよ。
○ヴァイパー奏者の覚書・一覧 Viper violinist’s notes
○Vol.15 ヴァイパーとヴァイオリンどちらが易しい?
○Vol.17 琉球ヴァイオリン奏法