Vol.3 「エレクトリックもアコースティックも、奏者固有の音色」

今回はとても質問の多い
エレクトリックヴァイオリンの音色
に関連する話です。


エレクトリックヴァイオリンを試奏してこんなことを言う方がいました。

「○○さん(高名なソリスト)みたいな音にしてよ!」

これはちょいと返事に困る注文なのですが、エレクトリックやマイクを通すことを誤解されたままにしたくないので、本当のことを言いましょう。

「それはあなたが弾いた音を拾って拡大しているだけなので、それがあなたの音色です。
○○さんみたいに弾いたらそういう音になりますよ~♪」

そう答えるとその方はとても不満そうに、
「どうせエレキなんだから、こうやって良い音にしてよ!」

とツマミを動かす仕草をしながら口を尖らせました。

エレクトリックは簡単に良い音が出せるはず…
と思っていたようです。

それは、極端にたとえるならば、しずかちゃんのギコギコヴァイオリンでも、マイクで拾ってそれを瞬時に美しい音に変えてスピーカーから出すことができるのじゃないか?
という話ですね。

Vol.2で触れたように電気楽器の仕組みは生音の電気的拡大。

マイクが楽器の外にあるか、中にあるか、の違いで「アコースティック楽器をマイクで拾うこと」と「エレクトリック」はほとんど同じ仕組みです。

件のツマミを動かす仕草は、たとえばイコライザーを使えば
電気信号に変えた音を
大まかな周波数帯に分けて
それぞれを増減させて
多少の音色の変化をさせることができます。

けれども、それは元の音色からの変化であり、オリジナルを全く無視した音にできるわけではありません。

まして
ノイズ成分だけを選んで取り除く
といった都合の良いものでもありません。

エレクトリックもアコースティックも、良い音色のためには結局のところ、やはりマニュアル部分(演奏の腕!)を鍛えないといけません♪